日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2021年12月11日会議を効果的なものにするには?

先日、経営者の方々向けの話し方セミナーを開催しました。皆さんとても熱心に講義を聞いたり、発言したりしてくださいました。
セミナーの冒頭、話し方に関する課題を伺ったところ、「コロナの影響で部下とのコミュニケーションがオンライン中心になっているが、話が続かなくて困っている」というお話がありました。このような悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。確かに、リアルと違ってオンラインではとても話しにくいという印象がありますよね。オンラインでの会議やミーティングを効果的なものにするためには、事前に考えておくことがあります。
今回は、オンラインミーティングを活性化させるポイントをお伝えします。



1つ目は、必要な会議やミーティングのみ開催する、ということです。
当たり前のことと思われるかも知れませんが、私たちは日常、この会議は本当に必要か、ということを余り意識していません。特に定例会などが典型で、開催することが決まっているから、という理由で行っている会議が少なくありません。

では、必要な会議と必要ではない会議はどのようにして区別したらよいのでしょうか? 私は「次のアクションにつながるかつながらないか」で判断すべきだと思っています。個人でも組織でも価値を生み出すのは行動です。従って、会議を開く目的は、組織として行動を起こすためでなければなりません。次の行動につながらない会議はやめるべきです。まずこの観点で必要な会議のみ開催すべきです。

2つ目は、会議の目的を明確にする、ということです。
会議には、次のような目的があるはずです。

①次のアクションの方向性、具体的な行動などを決める
→役員会など
②次のアクションのためにメンバーの現状に対する認識レベルを合わせる
→営業会議など
③将来のアクションのために自由にアイデアを出し合う
→企画会議など
④会社や部門のトップの方針をメンバーに徹底する
→方針発表会など

上のような会議の目的を明確にすべきです。目的を意識しないまま開く会議は、参加者もどんな発言をすればいいのか戸惑ってしまい、静かな会議になってしまいます。ぜひ会議の目的を明確にしてください。

3つ目は、論点や発言して欲しいことを具体的に提示する、ということです。
例えば、オンラインで部下と定期面談を行う場合「最近、調子はどう?」といった問いかけをする上司を見かけます。このように抽象的な質問をされても部下は「どうと言われても、まぁ、頑張ってますけど・・・」と曖昧な返事しかできないでしょう。これは明らかに上司の準備不足です。特にオンラインでは沈黙が続くとリアル以上にいたたまれない気持ちになります。そのために、論点や発言内容は具体的に提示すべきです。

できれば、「はい」か「いいえ」で答えられるレベルまで具体化した方がよいでしょう。
・自宅で仕事をしているとき、これはどうしたらいいんだろう、などと戸惑うことはありませんか?
・家族がいる中で仕事をしていて、困ることはありませんか?
・パソコンや通信環境など、ハード面で更に必要なものはありますか?

また、何かを決める会議をするなら、原案を作ってそれについて賛否を問う形にすべきです。「これについてどうしたらいいか、意見をお願いします」と言っても、普段そのことについて真剣に考えていない人は、なかなかその場で意見は言えません。原案があれば
「この点は仕事が効率できるのでよいと思います」
「実施時期が早すぎて社員が準備できない可能性があるので、もう少し余裕を持ったスケジュールにしてはどうでしょうか」
など、格段に意見が言いやすくなります。

上に述べたことはオンラインに固有のことではありませんが、特に同じ空間を共有していないメンバーがオンライン会議では、事前の準備がとても重要になります。ぜひ留意いただければ、と思います。
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